台風19号の災害ボランティアに行ってきた。
東日本各地に被害をもたらした、2019年の台風19号の災害ボランティアに参加した。
したことや気づいたことに順を追って書いていこうと思う。
被災地に行く前 その1 ボランティア参加を決める
大きな災害が起きた後しばらくすると自治体によってボランティアを募集する。
参加するボランティアを決めるにあたって最初に注意すべき点は、ボランティア参加資格である。
自治体や災害の規模によってボランティア参加資格が『市内の方のみ可』『県内の方のみ可』『県外の方も可』といった具合に分かれる。
この制限はボランティアがたくさん来られても仕事を適切に割り振れなくなってしまうからなどの理由だそうだ。
自分の車で来れる人といった条件もある。
また、台風15号の時には『屋根にブルーシートをかけれる人』というのがあった。
ボランティア条件は募集している社会福祉協議会のウェブサイトで確認をすること。
条件に合うボランティアを探そう。
被災地に行く前 その2 装備の確保と保険の加入
装備
服装は下のリンクを参考にすると良い。
http://rsy-nagoya.com/volunteer/image/suigai-manual.pdf
参加してからの感想だが、長靴も厚手のゴム手袋(キッチン用とかではなく、軍手の強化版みたいな手袋。手のひらから手の甲まで全部防水にらなっているもの)も本当に必要。
ヘルメットもしてると安心かな。
また、道具はボランティアを募集しているページに書いてあるので確認すること。
台風19号の長野市ボランティアは上に書いた服装の他、角スコップと雑巾が必要とあった。
自分たちも被災する可能性は高いのでこれを機に一式揃えてしまうのもあり。
保険
ボランティア活動で怪我や物を壊してしまった場合、ボランティア保険という専用の保険で賄うことになっている。
ボランティア保険は各自治体にある社会福祉協議会の窓口の他、ウェブでも加入できる。
https://www.saigaivc.com/insurance/
ボランティアを募集している現場でも加入は可能らしいが事前の加入で現場の負担を少しでも減らそう。
災害ボランティア高速道路無料措置
車で災害ボランティアに参加する人は『ボランティア参加者が指定する乗り口から、ボランティアを募集する社会福祉協議会が指定する降り口まで』の高速道路が無料になる。
事前に指定された書式に入力の上、紙出力して、料金所で有人窓口に提出することで無料で通過ができる。
ただし、復路はボランティアの窓口で参加証明印をもらうことで有効となる。悪用はできない。
くわしくは下のリンク
https://www.saigaivc.com/freeway/
(正直この制度を知らなくて自腹で行った。なかなかの出費だった…。
行きに出口の料金所で有人に並んでいるのを見てなぜだと思ったが、これが理由だったのだろう)
被災地に行く ボランティア登録と仕事の割り振り
社会福祉協議会のホームページに案内されたボランティアセンターに着いたら、まずはボランティアの登録から始まる。
登録といっても、名前と住所を名簿に書いて、名札に名前を書くだけである。
そのあとこんな紙を渡される。
簡単な要領書であるが、ポイントは
活動時間や休憩などについて、写真はプライバシーがあるので被災されたお宅をSNSにあげないようになどが書かれている。
ここで、トラック、軽トラで来た人は名乗り出るよう指示があった。トラック、軽トラを必要とする仕事に優先的に割り振るためである。
要領書の説明が終わると今度は班分けをする。
色んなとこから次々とボランティア参加者が来るので、長野市の班分けは来た順から5人ずつ分けるだけ。
ただし、5人を超える団体で参加する場合はそのままということもあるようだ。
(大学生の団体がその形を取っていた)
また、班ごとにリーダーが決められるが、ボランティア経験などを加味するわけではなく、「班分けの説明を受けた時に一番左に座っていた人」というスピーディーな決定方法を取っていた。
自分たちの班は30代から50代ぐらいのおっさん5人という面子となった。
自分は今回ボランティア初参加にしてリーダーをすることになった。
下はボランティアセンターの集合時の写真。
班も決まったところで今度は被災したエリアの市役所支所に向かうよう指示がある。
そこにボランティアサテライトセンターが設置されており、その地区のボランティア依頼が集まっている。
サテライトセンターに到着すると、社会福祉協議会の方が依頼内容を説明してくれる。
(ひょっとしたら班の男女や年齢層などで仕事を割り振っているかもしれない)
ボランティアをする
依頼書に書かれた住所に行くと、依頼者の方(70を超えたご夫婦だった)がすでに作業をされていた。
依頼内容は半地下の駐車場の泥出しである。
50畳ほどの広さに脛の下まで泥と水が入っている現場だった。
前日までにポンプで出せる水は出した状態でそれとのこと。
車4台が駐車場にはあったそうだが全て廃車がきまったとのことで、既に無くなっていた。
10時半ごろから初めて途中休憩を挟みながらもなんとか昼すぎには床が見えはじめた。
最終的には棚の下などに泥が残っていたが作り出した乾いた床は、今後の作業に効果的だと思うし、我々も大いに達成感を得られた。
また依頼者のご夫婦からも感謝の言葉をいただいた。なかなか気持ちいいものである。
おっさん5人でなんとか1日で終わる仕事を70を過ぎたお二人でやれというのは途方もない思いだったろうと思う。
ボランティアを終える
15時半でボランティア活動は終了となる。
最初は15時半までだと短いかな?と思ったが身体の負担からするとこれが限界だということがわかった。
終了に際してリーダーはボランティアセンターから渡された報告書の記入する。
何時から何時まで何人で活動したのか。
活動内容は依頼内容と相違なかったか?
依頼者は今後もボランティアの支援が必要か?
などの問いに応える。
依頼者のお宅は、まだ家財の運び出しなどが必要だったためその旨を記載した。
ボランティアセンターで終了報告とともに報告書を提出をする。
以上がボランティア一連の流れだ。
反省など
リーダーの仕事のうちに休憩をとることがあったのだが、要領書にあるように15分ごとの休憩を挟むことができなかった。
せいぜい30分から1時間おきぐらいになってしまった。
誰も怪我せず終了したから良かったが、積極的に休憩を取らないと暑い時期のボランティア活動は命に関わる。
依頼者の方とお話をしていると、
『家族だけだと喧嘩になるけど、ボランティアで他所の人が来てくれたので楽しく話しながら掃除ができた』
ということを言っていた。
家族だけだから生まれるギスギスを和らげる効果がボランティアにあるというのは、非常に興味深い発見だった。
この経験は、ボランティアの2回目以降の参加や、逆に依頼するときにも有効になるのではないかと思っている。